大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1801 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人武岡嘉一の上告趣旨はいずれも末尾添附別紙記載のとおりである。

被告人Aに関する上告趣意第一点に対する判断。

原判決の証拠説明を一瞥すればわかるように原判決は自白のみによつて事実を認

定している訳ではなく他にも証拠を挙げてそれ等の証拠を綜合して事実を認定して

いるのであつてしかもそれ等の証拠を検討すればいずれも被告人Aの自白を優に補

強するに足るものである。被告人の自白と補強証拠と相俟つて全体として犯罪構成

要件たる事実を認定し得られる場合には必ずしも被告人の自白の各部分について一

々補強証拠を要するものではない(昭和二三年(れ)第七七号昭和二四年五月一八

日大法廷判決集三巻六号七三五頁参照)、それ故所論違憲論は前提を欠く理由のな

いものである。

同第二点に対する判断。

裁判が迅速を欠いても、判決に影響を及ぼさないことが明らかであるから原判決

破棄の理由にはならないこと、既に判例(昭和二三年(れ)第一〇七一号昭和二三

年一二月二二日大法廷判決集二巻一四号一八五三頁参照)が認めているところであ

る。そして所論の様なことが憲法第三七条第一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」

でないと言えないことは昭和二二年(れ)第四八号、昭和二三年五月二六日大法廷

判決(集二巻五号五一一頁参照)の趣旨に照し明である。それ故論旨は事由がない。

その余の論旨は刑訴第四〇五条に当らないこと明らかであり又記録を精査しても

刑訴第四一一条を適用すべき理由は見当らない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴法四〇八条に従い裁判官全員一致の意見により

主文のとおり判決する。

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昭和二六年一一月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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